(無題)

「内部被ばく量」「実効線量」「等価線量」という用語の関係を整理してみた。

1.内部被ばく量とは

被ばく量 = 外部被ばく量 + 内部被ばく量
である*1


2.等価線量および実効線量とは


内部被ばく量には

a 等価線量=人体組織への影響を表す量
b 実効線量=全身の健康影響を評価するための量*5 

という2種類の値があり*2,3
それらの関係は次のように定義される*3

『生殖腺における a 等価線量』 x 0.2
+ 『骨髄における a 等価線量』 x 0.12
+ 『胃における a 等価線量』 x 0.12
+ 『肺における a 等価線量』 x 0.12
+ 『結腸における a 等価線量』 x 0.12
+ 『膀胱における a 等価線量』 x 0.05
+ 『乳房における a 等価線量』 x 0.05
+ 『肝臓における a 等価線量』 x 0.05
+ 『食道における a 等価線量』 x 0.05
+ 『甲状腺における a 等価線量』 x 0.05
+ 『皮膚における a 等価線量』 x 0.01
+ 『骨表面における a 等価線量』 x 0.01
+ 『残りの組織における a 等価線量』 x 0.05

 = 『b 実効線量』


(x 0.2, x 0.12, ..., x 0.05の数字を全部足したら1になる)


3.それぞれ用の線量係数がある


「b 実効線量」
は、2.で記した式を用いて計算することができる。

あるいは
「a 等価線量」と「b 実効線量」にはそれぞれ、

それらの値を直接計算するための係数
「等価線量係数」と「実効線量係数」

も用意されており、
それら各係数を用いることで各値を計算することができる*4


4.等価・実効どっちなのかに注意

「a 等価線量」と「b 実効線量」
は値の定義が違うので、
どちらの値の話をしているのか

によって、安全性を示す基準値も異なる*3

どちらの値の話をしているのかが
明記されている分かり易い文書の例 ↓
「放射性物質に関する緊急とりまとめ」(PDF) by 食品安全委員会


参考サイト

*1 「被曝量を計算してみよう」 by 科学史研究者guskantさん
*2 「放射性物質に関する緊急とりまとめ」に係る用語集(PDF)by 内閣府 食品安全委員会
*3 「全身被ばく」と「局所被ばく」 by 東大病院 放射線治療チーム team nakagawa
*4 「放射能(Bq:ベクレル)」から「被ばく量(Sv:シーベルト)」 への変換について by 東大病院 放射線治療チーム team nakagawa
*5 組織ごとの被ばく量(等価線量)をバラバラに議論する代わりに、それらの量を統合し、「全身が均等に被ばくした場合」に換算することにより、被ばく量を一元的に議論するための量。参考:放射線荷重係数と組織荷重係数 by 原子力百科事典ATOMICA
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Version 1.0 2011-4-26 10:00 日本時間
今後、修正を加える場合はここに記します。
  1. 2011/04/26(火) 07:01:40|
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